働かされたら負け 退職代行(深山も利用したことがあります)

日本人はなぜ 退職代行に抵抗があるのか?

深山悠翔

集団に馴染めず育ち、 高校中退から独学で難関大学へ。 社会適応は今も苦手ですが、 在宅コールセンターで静かに生きています。 メンターは松田悠玄さん。 引き寄せ・潜在意識を学び、 魂に沿った生き方を探求中。 退職代行で会社を辞めた経験から、 生き延びるための選択肢の大切さを痛感。 これから、「魂に合わせた生き方」をテーマに発信していきます。

日本人はなぜ退職代行に抵抗があるのか?

人は自由を望みながら、
同時に自由を恐れる。

鉄格子のない檻を、
自ら進んで建てるのが、人間というものだ。

とりわけ日本社会では、
この傾向が色濃く現れる。

辞めたいという心の叫びより、
「迷惑をかけるな」という空気を優先してしまう。

ではなぜ、
ここまで退職代行に抵抗があるのか。

静かに、その答えを探ろう。

同調圧力という名の檻

東京大学社会科学研究所の調査によると、
日本人は他国と比べ、
**「集団の和」**を重視する傾向が際立っている。

自己主張よりも、空気を読む。
異議を唱えるよりも、場を守る。

そんな文化の中では、
退職代行という「予定調和を壊す行為」は、
本能的な拒絶反応を引き起こす。

まるで、
満員電車で一人だけ座禅を組むようなものだ。

場を守るために、
自分を犠牲にする──
それが、日本人にとっての生存戦略だった。

忠誠心という幻想

World Values Surveyの調査では、
日本人の組織への忠誠心は世界でも群を抜いて高い。

「会社に尽くすのが美徳」
「恩を返すのが当然」

そんな観念が、
子どもの頃から刷り込まれている。

だが、本来、
労働契約は対等な取引だ。

片方だけが忠誠を尽くし続けるなら、
それは契約ではなく、隷属である。

にもかかわらず、
退職を裏切りとみなす文化が、
今も日本社会には根強く残っている。

まるで、
パフェを頼んだだけなのに、
三回忌まで仕切らされるような話だ。

恐怖のマーケティング

労働政策研究・研修機構(JILPT)のレポートによれば、
退職時に最も大きな障壁となるのは、
**「将来への不安」**だ。

会社を辞めたら、
人生が詰むのではないか。

そんな恐怖を植えつけることは、
企業側にとって都合がいい。

「辞めたら終わり」という空気は、
究極のリテンションマーケティングだ。

だが、恐怖で縛られた忠誠に、
未来はない。

ジェットコースターに乗る直前の震えは、
未来の墜落ではなく、飛翔の前兆だ。

退職代行への偏見

日本労働組合総連合会(連合)の調査では、
退職代行を使った人の約40%が
「周囲の反応が怖かった」と答えている。

「自分で言えないのは甘えだ」
「最後くらい自分でけじめを」

──そんな声が、
今も世間には渦巻いている。

だが、骨折したとき、
自力で治せと言うだろうか?

溺れたとき、
「自分で岸まで泳げ」と言うだろうか?

心が折れたとき、
プロに頼るのは当然だ。

退職代行は弱さではない。
自己防衛本能の発露である。

まとめ──空気より、命を守れ

日本人が退職代行に抵抗を抱く理由は、
同調圧力、
忠誠心、
恐怖マーケティング、
そして偏見にある。

だが、空気を守るために、
自分を壊す必要などない。

命より大切な会社など、存在しない。

退職代行を使うことは、
敗北ではない。

それは、
自分自身の人生を取り戻すための革命だ。

「辞めたら世界が終わる」
──そう思うかもしれない。

だが、本当に始まるのは、
その瞬間からだ。

あなたの人生は、
あなたのものだ。

そして、
それを誰にも明け渡す義務はない。

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