定額働かせ放題の正社員と、ショーケースに並べられた労働力
この世界には、二種類の人間がいる。
定額で酷使される者と、
ショーケースに並べられる者だ。
定額働かせ放題という幻想
正社員──それは、
月々決まった金額で、
心も体も、いくらでも使える「定額プラン」。
上司の一言で夜が消え、
プロジェクトの名のもとに週末が蒸発する。
努力とは名ばかりの、
労働力の青天井使用。
企業は知っている。
人は無理を「当たり前」と呼べば、
いくらでも頑張ってしまうことを。
だから彼らは、
「頑張るあなたを応援します」と囁きながら、
あなたを静かにすり減らす。
ショーケースに並べられた労働力
派遣社員等非正規雇用──それは、
時間で値付けされた「ショーケースの商品」。
契約という名のタグをぶら下げて、
今日も誰かに選ばれるのを待っている。
必要とされれば立ち上がり、
不要とされれば消え去る。
愛も忠誠も関係ない。
あるのはただ、
**「いま、ここにいる理由が契約書にあるか」**だけ。
ショーケースの中の微笑みは、
たった一つの現実を隠している。
──「あなたに未来の保証はない」ということを。
日本という“檻”の中で
なぜ、こんな世界がまかり通るのか?
理由はシンプルだ。
日本には、
正社員でなければ一人前と見なされない
という奇妙な信仰があるからだ。
OECDの調査は冷たく告げる。
日本は先進国の中でも、
正規・非正規の格差が際立って大きい。
厚生労働省の統計も、静かに警鐘を鳴らしている。
メンタル不調による労災認定件数は、
年々右肩上がりだ。
──「長く働くことが、美徳ではない」
そんな当たり前すら、
この国では異端とされる。
そして、日本の労働生産性は、
G7の中でも最下位に沈んでいる。
限界まで頑張った先にあるのは、
輝かしい未来ではない。
壊れた身体と、疲れた心だ。
それでも、僕らは人間だ
定額だろうが、
時間売りだろうが、
忘れてはならない。
ここにいるのは、
ただの「コスト」なんかじゃない。
──生きている人間だ。
数字では測れない価値を持った、
世界にたった一人しかいない存在だ。
生きるために、選べ
労働とは、
魂を差し出す契約だ。
だからこそ、
問わなければならない。
「この道は、俺の人生を輝かせるか?」と。
誰かの都合で磨耗するために、
生まれてきたわけじゃない。
定額働かせ放題の正社員も、
ショーケースに並ぶ派遣社員も、
超えていけ。
これはただの働き方の話じゃない。
生き方そのものの話だ。
──さぁ、選ぼう。
「働く」ために生きるか。
「生きる」ために働くか。
答えは、もう知っているだろう?
参考文献
OECD(2023)『Economic Surveys: Japan』
厚生労働省『精神障害に関する労災補償状況』2023年版
日本生産性本部『労働生産性白書』2023年版