退職代行について

定額働かせ放題と、 ショーケースに並べられた私たちへ

深山悠翔

集団に馴染めず育ち、 高校中退から独学で大学へ。 社会への適応はいまも得意ではありませんが、 派遣社員として生きています。 私には、一人でネットビジネスを20年以上続けてこられたメンターがいます。 顔出し・実名でありながら、騒がず、争わず、 静かに“自分の道”を生きるその姿勢から、多くのことを学びました。 引き寄せや潜在意識のしくみを通して、 “魂に沿った生き方”を日々探求しています。 退職代行を利用して会社を辞めた経験から、 「生き延びるための選択肢」を持つことの大切さを痛感しました。 これからは、 社会の“正解”ではなく、魂の“納得”に従う生き方をテーマに、 静かに発信を続けていきます。

この世界には──
2種類の“働き方”があると言われています。

ひとつは、
「定額で、心と体を
いくらでも使える存在」。

もうひとつは、
「必要なときだけ
取り出せる存在」。

それが、今の日本にある
正社員と非正規という働き方です。

◆ 定額で使い放題という仕組み

正社員という言葉は、
なんとなく「安定」の象徴に見えます。

でもその実態は、
**“定額で使い放題”**の契約。

毎月決まったお給料で、
夜も週末も、心も体も差し出す。

上司の一言で予定は消え、
プロジェクトの名のもとに
自分の生活が後回しにされていく。

どこまでが努力で、
どこからが搾取なのか──
わからなくなるほどに。

◆ 「頑張る人ほど損をする」現実

企業は、知っています。

人は「がんばるね」って
言われれば、
限界を超えてでも
頑張ってしまうことを。

「あなたを応援します」と
優しく言われながら、
いつのまにか
心も体も削られていく。

それが、
“正社員”という働き方の現実です。

◆ ショーケースに並ぶ私たち

一方、派遣やパートなどの
非正規雇用はどうでしょうか。

それはまるで、
ショーケースに並べられた商品。

タグ(契約)がつけられ、
「必要なとき」だけ呼ばれて、
「いらなくなれば」外される。

笑顔の奥にあるのは、
ただひとつの現実──

「あなたに未来の保証はない」
ということです。

◆ なぜこんな働き方が許されるの?

理由は、あまりにも単純です。

いまだに日本には
「正社員じゃないと一人前じゃない」
という、古い信仰が根強く残っています。

でも現実は、こうです。

OECDの調査では、
日本は先進国の中でも
正規と非正規の格差が大きい国。

厚生労働省の統計でも、
心の病による労災認定は
年々増え続けています。

◆ 長く働くことは、本当に美徳?

「一生懸命働くことは良いこと」
そう思わされてきたけれど──

本当にそれだけが、
正しい生き方なのでしょうか?

日本の労働生産性は
G7の中でも最下位です。

つまり、
「長く働いても成果が上がらない国」
ということ。

そのツケを払わされているのは、
いつも現場で頑張っている私たちです。

限界まで頑張った先にあるのは、
輝かしい未来ではなく──
壊れた体と、疲れた心だけ。

◆ それでも、あなたは「人間」だ

どれだけ定額でこき使われても、
どれだけ都合よく使われても。

私たちは、
“ただのコスト”ではありません。

数字では測れない価値を持った、
かけがえのない人間です。

誰かのために壊れてしまう前に、
もう一度、問い直してみてください。

◆ 「生き方」は選べる

働くとは、
魂を差し出すこと。

だからこそ、
自分にこう問いかけてほしいのです。

「この働き方は、
私を幸せにしてくれる?」

ただ生き延びるためじゃなく、
ちゃんと“生きる”ために。

誰かの都合で削られるために、
あなたは生まれてきたんじゃない。

◆ 正社員でも、派遣でもない生き方を

「働き方」は選べます。

そしてそれは、
「生き方」を選ぶことでもあります。

正社員でも派遣でもない、
あなたのペースで生きる道を。

それは、甘えじゃありません。

ただ“あなたらしく”生きる
誠実な選択です。

──さあ、思い出してください。

あなたは、
働くために生まれたんじゃない。

生きるために、
働いていいんです。

※参考文献:

  • OECD(2023)『Economic Surveys: Japan』

  • 厚生労働省『精神障害に関する労災補償状況』2023年版

  • 日本生産性本部『労働生産性白書』2023年版

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