この世界には──
2種類の“働き方”があると言われています。
ひとつは、
「定額で、心と体を
いくらでも使える存在」。
もうひとつは、
「必要なときだけ
取り出せる存在」。
それが、今の日本にある
正社員と非正規という働き方です。
◆ 定額で使い放題という仕組み
正社員という言葉は、
なんとなく「安定」の象徴に見えます。
でもその実態は、
**“定額で使い放題”**の契約。
毎月決まったお給料で、
夜も週末も、心も体も差し出す。
上司の一言で予定は消え、
プロジェクトの名のもとに
自分の生活が後回しにされていく。
どこまでが努力で、
どこからが搾取なのか──
わからなくなるほどに。
◆ 「頑張る人ほど損をする」現実
企業は、知っています。
人は「がんばるね」って
言われれば、
限界を超えてでも
頑張ってしまうことを。
「あなたを応援します」と
優しく言われながら、
いつのまにか
心も体も削られていく。
それが、
“正社員”という働き方の現実です。
◆ ショーケースに並ぶ私たち
一方、派遣やパートなどの
非正規雇用はどうでしょうか。
それはまるで、
ショーケースに並べられた商品。
タグ(契約)がつけられ、
「必要なとき」だけ呼ばれて、
「いらなくなれば」外される。
笑顔の奥にあるのは、
ただひとつの現実──
「あなたに未来の保証はない」
ということです。
◆ なぜこんな働き方が許されるの?
理由は、あまりにも単純です。
いまだに日本には
「正社員じゃないと一人前じゃない」
という、古い信仰が根強く残っています。
でも現実は、こうです。
OECDの調査では、
日本は先進国の中でも
正規と非正規の格差が大きい国。
厚生労働省の統計でも、
心の病による労災認定は
年々増え続けています。
◆ 長く働くことは、本当に美徳?
「一生懸命働くことは良いこと」
そう思わされてきたけれど──
本当にそれだけが、
正しい生き方なのでしょうか?
日本の労働生産性は
G7の中でも最下位です。
つまり、
「長く働いても成果が上がらない国」
ということ。
そのツケを払わされているのは、
いつも現場で頑張っている私たちです。
限界まで頑張った先にあるのは、
輝かしい未来ではなく──
壊れた体と、疲れた心だけ。
◆ それでも、あなたは「人間」だ
どれだけ定額でこき使われても、
どれだけ都合よく使われても。
私たちは、
“ただのコスト”ではありません。
数字では測れない価値を持った、
かけがえのない人間です。
誰かのために壊れてしまう前に、
もう一度、問い直してみてください。
◆ 「生き方」は選べる
働くとは、
魂を差し出すこと。
だからこそ、
自分にこう問いかけてほしいのです。
「この働き方は、
私を幸せにしてくれる?」
ただ生き延びるためじゃなく、
ちゃんと“生きる”ために。
誰かの都合で削られるために、
あなたは生まれてきたんじゃない。
◆ 正社員でも、派遣でもない生き方を
「働き方」は選べます。
そしてそれは、
「生き方」を選ぶことでもあります。
正社員でも派遣でもない、
あなたのペースで生きる道を。
それは、甘えじゃありません。
ただ“あなたらしく”生きる
誠実な選択です。
──さあ、思い出してください。
あなたは、
働くために生まれたんじゃない。
生きるために、
働いていいんです。
※参考文献:
-
OECD(2023)『Economic Surveys: Japan』
-
厚生労働省『精神障害に関する労災補償状況』2023年版
-
日本生産性本部『労働生産性白書』2023年版